浜崎あゆみの楽曲「Song 4 u」のテイルズオブエクシリア2的な解釈

 

 

●概要
 この文章は主にテイルズオブエクシリア2の未プレイ者向けの文章で、ゲームをする暇はないけど主題歌の意味を知りたいという方や、楽曲だけを知っているという浜崎あゆみさんファンの方向けのものとなります。内容にはゲームのネタばれを大いに含んでおりますので、これからプレイしようと考えている方はご注意ください。
 またこれは私個人の解釈なので本来の意味とは異なる部分が存在する可能性もあります。当然全く違う解釈をしている方もいらっしゃるはずなので、これが正しいと思い込まず、一つの可能性として読んでいただければ幸いです。

※以下テイルズオブエクシリア2はTOX2と記述します
※筆者はエクシリア(前作)、エクシリア2、他テイルズオブシリーズ(外伝作品以外)はほぼ全てプレイ済みです
※TOX2公式サイト→http://tox2.tales-ch.jp/
※Song 4 u歌詞→http://www.uta-net.com/song/137182/


●TOX2とは?
 テイルズオブシリーズのマザーシップタイトル(本編作品)14作目で、PS3用のRPG作品。シリーズで初のCERO:C(15歳以上対象)作品でもある。前作エクシリアの続編という位置付けだが、前作をプレイしていない人でも楽しめるよう配慮がされている(ダイジェストムービー等が用意されている)。
 キャッチコピーは「少女のために世界を壊す覚悟はあるか」
 ……という感じの作品です。


●Song 4 uとは?
 TOX2主題歌である浜崎あゆみの楽曲。ミニアルバム「LOVE」及びアルバム「LOVE again」に収録(内容は同じ)。オリジナルバージョンの他にオーケストラバージョン(「LOVE」収録のもの及び「A Classical」収録のもの・それぞれ異なる)が存在する。なおTOX2ではOPの他にアレンジ曲(ラスボス用戦闘BGM、スタッフロール用BGM)が存在する。OP用の音源はオリジナルバージョンと若干アレンジが異なる。
 楽曲のミュージックビデオはチェスをモチーフにした作品となっている。
 ……という感じの楽曲です。


●TOX2の設定
 細かく説明していると文字だらけで覚え切れないと思われますので、ここでは簡単な設定だけを書いておくことにします。

 舞台は前作と同様の世界観で、前作の一年後という設定になっています。
 主に二つの地域に分かれており、精霊と共に暮らす「リーゼ・マクシア」(前作でメインとなっていた地域)及び現代的で機械的な「エレンピオス」(今作の始まりの地域)が存在し、それぞれの生活やら思想やらの違いでいざこざが起こりつつも仲良くしようと奮闘している時代がTOX2の世界となります。
 主人公はルドガー・ウィル・クルスニクという名で、兄のユリウス・ウィル・クルスニクと共にエレンピオスのアパートで暮らしている青年です。
 物語は主人公ルドガーが憧れの会社「クランスピア社」の就職に臨む場面から始まります。


●TOX2の物語
 注意!! ここから大いにネタばれが含まれます!! 自分で楽しみたい方は回れ右!!
 長いです。お時間がある時にでもごゆっくりとお読みください。


 クランスピア社は兄ユリウスが働く超エリートっぽい会社。しかも試験の試験官はユリウス本人であり、いいところを見せようと頑張ったルドガーですがあっさり不合格になってしまいます(わりと理不尽な理由で)。
 そんなわけで不本意ながらも近所の駅の食堂に就職したルドガー。その初出勤の日、職場へ向かう途中で研究者の青年を道案内したりしていると、駅で事件に巻き込まれてしまいます。
 なぜか偶然出会った8歳の少女エル・メル・マータにより痴漢の冤罪被害を受けそうになったりしていると、列車内で起こったテロに遭遇。どうやらエルが列車に乗っているらしいことが分かったルドガーは列車に乗り込みますが、そこで不思議な現象が起きてしまいます。この時点でルドガー自身は知る由もありませんが、何らかの力により「分史世界」というものが発生したのです。
 分史世界はその名の通り、本来の時間軸に存在する「正史世界」から分岐した「こうなるかもしれなかった可能性の世界」のこと。その不思議な空間の中でルドガーは兄ユリウスの姿をした何者かと遭遇し、襲ってきた彼をどうにか退けることに成功します。しかしその後に気を失ってしまい、気が付けば怪しい雰囲気の酒場に寝転んでいました。
 ルドガーはクランスピア社のエージェント(要するに社員)であるリドウという男に助けられたらしく、そこで治療費として2000万ガルドという巨大な借金を背負うことになりました。そこからルドガーの借金返済生活が幕を開けてしまいます……
 なんだかんだで放っておけないエルと共に借金を返すルドガーの元に、初出勤の日に知り合った研究者ジュードのかつての仲間たちが集まり、借金返済の手伝いをしてくれたりします。しかし彼らもまた何らかの事情を抱えている人々であり、お人好しなルドガーは彼らの手伝いもしてあげちゃったりします。
 エルはどうやら迷子で家の場所が分からないらしく、彼女はパパとの約束で一人で「カナンの地」という場所に向かう為に駅にいたらしいことが判明します。カナンの地に辿り着くとどんな願いでも叶うらしいのですが、どこにあるかは分からないとのこと。後にルドガーは彼女をカナンの地に連れていくと約束します……
 兄ユリウスは列車テロの首謀者として指名手配されていました。ついでに列車テロに巻き込まれ痴漢の冤罪もあるルドガーは免職となり、指名手配までされてしまいます。そんな不幸な人生まっしぐらなルドガーでしたが、なんと彼の前にエリート会社クランスピア社の社長ビズリー・カルシ・バクーが現れました。彼はルドガーをやや強引にエージェントに任命し、「分史世界の破壊」という仕事を与えました。
 クランスピア社では増えすぎた分史世界を破壊し続けているということが判明し、兄ユリウスも同様の仕事をこなしていた超エリートであったらしいことも分かりました。分史世界は増えすぎると正史世界に影響を及ぼし、やがては人々が死滅するため破壊する必要があると言うビズリー。ルドガーはそんな分史世界を破壊できる「クルスニク一族」の一員であり、「骸殻(がいかく)」という能力を持つ者だということが判明。分史世界を作り出している「時歪の因子(タイムファクター)」という人(あるいは物)に骸殻の力を加えることで分史世界を破壊することができるらしいのです(これを破壊しな限りは正史世界には帰れません)。
 それでも借金が消えることはなく(指名手配はクランスピア社の圧力でほぼ無かったことになりました)、お金を稼ぎつつクランスピア社の仕事もこなしていくルドガー。たくさんの分史世界を訪れ、その全てを破壊し続けます。中には仲間たちにゆかりのある世界も存在し、今とは違う未来、死んだはずの者が生きる世界、全く別の生き方をする知り合いがいる空間、その全てを破壊していきます。
 ビズリーがルドガーに与えた仕事はもう一つありました。それは「カナンの地」へ行く為の五つの「道標」を手に入れること。その道標は正史世界では既に失われたものであり、分史世界から持ち帰ることでしか手に入れることができません。本来分史世界の物は持ち帰ることが不可能であるはずなのですが、なぜかルドガーはそれを持ち帰ることができたのです。そしてカナンの地に辿り着き、増えすぎた分史世界の消滅を願うことがルドガーの仕事となりました。
 カナンの道標を探し分史世界と正史世界を行き来するルドガーたちは様々な人との出会いや争いを経験します。人間を嫌いルドガーたちの邪魔をしようとする精霊クロノスや、分史世界で共闘しそのまま正史世界に引きずり込んでしまった精霊マクスウェルと名乗る女性ミラ。時にはふらりと現れた兄ユリウスに助けられる場面もありました。しかしミラは彼女自身が暮らしていた世界を壊されてしまった為、元の世界に戻ることができず厄介なことになってしまいました。彼女が存在していると正史世界に存在するミラが人間界に出てくることができず、それを覚ったクランスピア社のリドウにより「分史世界のミラを消滅させ正史世界のミラを復活させる」という計画が執行されてしまいます。分史世界のミラを助けようとするルドガーたちですが、やがて彼女は自らを犠牲とし正史世界のミラと入れ替わるように消滅します。
 知っているミラが消え、知らないミラが現れたことでエルは深い悲しみを負ってしまいます。姿はそっくりで本人そのものである筈なのに、中身は全く知らない相手。その為エルはミラと仲良くすることができず、エルのミラは消えてしまったと泣いてしまいます。
 それでも借金も仕事も消えないルドガーは前に進むしかなく、いよいよカナンの道標も最後の一つとなった時、ルドガーたちは一つの分史世界へと赴きます。そこではなんとエルのパパが一人で家に住んでいました。エルはパパと再会でき涙を流して喜びます。なぜエルのパパが分史世界にいるのかと混乱するルドガー。彼はヴィクトルと名乗り、ルドガーたちに休息と食事を振る舞ってくれました。
 ヴィクトルは顔に仮面を付けた男で、エルが眠るとルドガーたちを家の外へと連れ出します。そこで語った事実とは、ヴィクトルこそがルドガーの未来の姿であり、エルをルドガーに会わせたことも計画のうちだったことが判明。ヴィクトルはルドガーと入れ替わり、正史世界の人間としてエルと共に生まれ変わって再び人生をやり直そうとルドガーに襲いかかります。騒ぎに気付いたエルが止めに入ろうとしますが、ヴィクトルはルドガーを殺そうと武器を手に取ります。どうにかヴィクトルを抑え込むことに成功したルドガーですが、ヴィクトルは「骸殻」の力を使い過ぎてはならないと言います。一族の力を使い過ぎてしまうと、代償として自らが「時歪の因子(タイムファクター)」になってしまうことが判明。そしてヴィクトルはエルの首に「時歪の因子」の兆候を発見します。ヴィクトルは先の戦闘で傷を負い、エルに「証の歌」を送りながら最期の時を迎えます。
 なぜ力を使っていないはずのエルが時歪の因子化しようとしているのか。その理由は、ルドガーの力はエルを介したものであったからでした。分史世界から物を持ち帰ることができる能力も、ルドガーの力ではなくエルの力だったのです。彼女は数代に一人生まれてくる「クルスニクの鍵」と呼ばれる存在でした。
 正史世界に戻ったルドガーたちですが、エルは精神的に追いやられてしまっていました。大好きだったパパが目の前で死んだこと、自分が「ニセモノ(分史世界の人間)」だったこと、そしてパパに利用されていたこと――エルはルドガーが自分の為に作ってくれたスープを見て、こんなものは違うと言います。しかしルドガーの優しさを知った彼女は幼いながらも人の死を理解し、自分やルドガーがどんな存在であるかを知った上でルドガーと共に行動することを決意しました。
 ついに全ての「道標」を手に入れることに成功したルドガーたちは、クランスピア社の命令によりカナンの地を出現させます。道標を並べるとカナンの地は空に出現しました。しかしそこへどのようにして行けばいいかが分からず、悩んでいる時に精霊クロノスの邪魔が入ります。しかもクロノスはユリウスに深手を負わせており、今度は標的をルドガーに変えます。時を巻き戻され苦戦していると、そこにクランスピア社の社長ビズリーが現れました。隙をついてユリウスがクロノスを抑え込み、両者はどこかへと消えてしまいます。
 ビズリーはカナンの地へ行く方法を知っていると言いますが、何かに気が付いたエルは「カナンの地に行かなくてもいい」と言い出します。約束はどうなったのかと問うと、約束より大事なことがあると言うエル。そのままエルはルドガーたちの元から走り去ってしまいました。
 カナンの地へ行く方法を教えてもらう為、ルドガーはクランスピア社へ戻ります。そこにはビズリーの姿はなく、秘書のヴェルとエージェントのリドウが待ち構えていました。ビズリーはクルスニクの鍵であるエルを連れて先にカナンの地へ向かったことが発覚。彼はカナンの地に辿り着いたなら、精霊から意志を奪い人間だけの世界を作ろうと考えていました。そしてルドガーはいつの間にかクランスピア社の副社長に任命されていました。
 結局カナンの地へ向かう方法は分からないままで、クランスピア社を後にしようとするとエージェントたちに取り囲まれてしまいます。エルを追う為にも外へ出る必要があるルドガーたちは、邪魔をしてくるリドウたちを退け外に出ることに成功。そこで兄ユリウスから電話がかかってきます。彼はアパートの自室に手紙を置き、仲間の一人に伝言を頼み姿を消してしまいます。仲間の話によると、カナンの地へ行くには「魂の橋」を架けなければならず、「魂の橋」を架ける為には強い力を持ったクルスニクの一族の命をひとつ生贄にしなければならないことが判明。それはつまり、ルドガーかユリウスのどちらかが犠牲にならなければならないことを示しています。
 覚悟ができたら来い、と手紙には書かれています。ルドガーがユリウスの元へ行くと、ユリウスは自らの手で自らの命を「魂の橋」にしようとしていました。そこには既にビズリーとエルの姿はなく、彼らはリドウの命を「魂の橋」としてカナンの地へ向かったことが判明。ルドガーは大きな選択に迫られます。兄ユリウスの命を使い「魂の橋」を架けるか、それともユリウスを庇い続けるか……
(ユリウスを庇い続けると仲間たち全員と戦闘になり、それに勝利すると一つの結末が訪れます。それがエンディングの一つ「血まみれの兄弟」となります)
 ルドガーは兄の望みを受け入れ、彼の命を使い「魂の橋」を架けることを決意します。ユリウスはもう少しだけ付き合おうと言い、ルドガーに最後の試験として戦いを挑みます。互いの証の為に二人はぶつかり合い、ルドガーは兄からの試験を乗り越えようと必死に戦いました。
 しかしふと気が付くと兄の姿がありません。更に仲間たちの姿もなく、場所も変わっています。ルドガーが立っていたのは見慣れた駅の中であり、そこでは誰もが平和そうに笑いながら暮らしていました。そう、そこは分史世界だったのです。
 何かに惹かれるようにルドガーはマンションの自室へと向かいます。扉を開こうとすると誰かの声が聞こえ、慌てて隠れて様子を見ていると、部屋から出てきたのはルドガーでした。分史世界のルドガーは今から職場へ向かうところらしく、ユリウスに見送られ元気に走り去っていきます。そんな光景を眺めていた正史世界のルドガーは、兄が戻った自室の扉を改めて開くことにしました。
 ユリウスは「忘れ物か?」とルドガーに問います。何も言うことができなかったルドガーを見て、ユリウスは全てを悟り、今晩分史世界のルドガーが作ってくれるはずだったトマトソースパスタを食べ損ねたな、と言います。「もう行け、ルドガー。守ってやりたい子がいるんだろ?」「お前は、お前の世界をつくるんだ」そう言った後、ユリウスは「証の歌」を口ずさみます。それはルドガーが幼い頃にユリウスが子守唄として歌っていた歌であり、いつもユリウスが癖のように口ずさんでいた歌であり、二人の中でとても大切な歌でした。ルドガーが泣かないようにと歌い続け、ルドガーはそれを聞きながらユリウスの分史世界を破壊します。
(この時、他の分史世界ではルドガー自身は砕けないのですが、このシーンでのみルドガー自身も砕け散っています。それはユリウスの分史世界を消滅させることはルドガー自身の「世界」も消滅させることと同等の意味があることを示しているものだと私は考えています)
 ユリウスの命で架けられた「魂の橋」を渡り、ルドガーたちはついにカナンの地に到着。その奥では精霊クロノスビズリー、そしてエルが争っていました。クロノスはカナンの地で人間たちが生み出す負の感情「瘴気」に焼かれ続けている精霊オリジンを助ける為、人間たちに見切りを付け、精霊だけの世界を作ると言います。クロノスはビズリーとエルの動きを封じ込め、その隙にルドガーたちに襲いかかります。どうにかクロノスを抑え込むと、封じられていたはずのビズリーがエルの力を使いクロノスに刃を突き立て、エルは倒れてしまいました。エルの「時歪の因子化」は以前より進行しており、彼女を助けるには二つの道しか残されていませんでした。その道とは、カナンの地の伝承通り精霊オリジンにエルの「時歪の因子化」を解除して欲しいと願うこと、そしてもう一つはルドガーかビズリーがエルより先に「時歪の因子化」することです。(時歪の因子には上限値があり、それを越えると進行中の時歪の因子化は解除されるというものでした。この時点であと一人で上限値に達することになっています。ただしそれでは「オリジンの審判」は失格となり、「全ての分史世界を消滅させる」という願いを叶えてもらえなくなります)
 世界の為にもエルの為にも、ルドガーはビズリーの野望を阻止しようと剣を取ります。しかし「最強の骸殻能力者」と呼ばれるビズリーの力は凄まじく、一度は敗れそうになってしまうものの、エルが持っていたヴィクトルの時計と「契約」を交わしたことにより(この辺の設定は省かせてもらいます、興味がある方は調べてみてください)ルドガーはビズリーを打ち破ることに成功(ラスボス戦・BGMは「ただひとり 君のためなら 〜Song 4 u〜」)。
 時計と直接契約したことにより、ルドガーは「時歪の因子化」する可能性を抱えることになりました。そして力を使い過ぎたビズリーもまた「時歪の因子化」が進行しますが、彼は完全に「時歪の因子化」する前に自らの力で命を絶ちました。
 カナンの地にある「審判の門」を開いたルドガーたちは、大精霊オリジンと出会います。オリジンはルドガーとエルに二人で一つの願いを訊ねます。ルドガーの選択は、世界の為に「全ての分史世界を消滅させる」か、エルの為に「エルの時歪の因子化を阻止する」か……
(ここでの選択によりエンディングが二種類に分岐します。キャッチコピー「少女のために世界を壊す覚悟はあるか」を思い出すと……)
 ルドガーは「全ての分史世界を消滅させる」ことを望みました。オリジンが「エルのことはいいんだね?」と問うと、ルドガーは「エルは俺が助ける」と答えます。ルドガーは自らを「時歪の因子化」させ、エルの「時歪の因子化」を阻止する道を選択しました。「時歪の因子化」するということは、世界から消滅することと同等。それが怖くないのかと問われると、ルドガーは「消滅よりも怖いことがあるんだ」と答えました。
 オリジンの力により、全ての分史世界は消滅します。そんな中でルドガーの「時歪の因子化」は進行し、ルドガーは最期にエルへ「証の歌」を送りました。仲間たちとエルに見守られながら、そして「時歪の因子化」が停止し元に戻ったエルの涙の中にある笑顔を見届け、ルドガーは一つの世界と一人の少女を救い消滅していきました――(エンディング「審判を越えし者」


●Song 4 uの歌詞解釈
 主にルドガー視点の歌詞だと解釈することができます。もちろん他の人の視点(たとえばユリウスとか)として見ることもできますが、私はルドガーの視点だと考えています。

・また明日ねって〜:物語の中で人のに何度か遭遇しますが、この部分はそれに対する歌詞だと解釈できます。
・もしもね自分が〜:分史世界のエルやミラは正史世界においては「ニセモノ」だと疑ってしまったなら、その瞬間に自分も仲間たちも笑顔になることができない、輝くことができないということかと。
・伸ばしたこの手は〜:「願ってる未来」=「選択の先にある未来」
・聴こえてる 感じてる〜:ルドガーのエルに対する優しさ。
・今だってそんなに〜:ルドガーの中にある迷いや躊躇など。
・選ばないだけなら〜:ゲーム中のシステム「選択」に対する歌詞でもあるかと。ちなみに某エンディングのスタッフロールでは、あゆさん直筆のこの部分を拝むことができます(ついでにサイン付き)。
・いつだった? どうなった?〜:借金を背負った時、ヴィクトルと対峙した時、ユリウスを犠牲にした時など……
・2 u,yeah〜:普通に考えると「君に」「君の為に」という意味ですが、数字は人の数を表しているような気がします。「2」はルドガーとユリウス、「4」はそこにジュードとミラ(前作主人公の二人)が加わったからかと。彼らは全員作中で「証の歌」を歌う場面がありますが、「2」では兄弟だけの歌だったけれど、たくさんの人と出会い仲間が増えた為に「4」と世界が広がったことを意味しているんじゃないかと思っています。「空だって 飛べる気がする」は「どんな不可能なことでも可能になる気がする」という意味かと。
・ただひとり 君のためなら:そのままの意味。
・Song 4 u:「君の為の歌」=「証の歌」


●その他余談
 最後の分岐で別の選択肢を選ぶと、エンディング「フェイト・リピーター」に進みます。これはルドガーのヴィクトル化を暗喩するようなタイトルと内容で、個人的にはその不穏さがなかなか好きです。
 楽曲のミュージックビデオはチェスを延々とやってる内容ですが、その勝敗は不明のまま終わります。これはおそらく最後の選択「審判を越えし者」と「フェイト・リピーター」のどちらになるか、ということを表してるんじゃないかと思ってます。白がルドガーで黒がヴィクトルのような気がするんですよね。
 私はもともとあゆさんもテイルズも好きで両方追いかけてたので、前作エクシリアの時に「主題歌があゆさんだと!!!」と興奮したものの、エクシリアのストーリー自体がちょっと物足りなかったので、今作では大いに満足することができました。実際前作の主題歌「progress」はザ・浜崎あゆみという感じの歌詞だったので(わりと抽象的だったりあゆさん本人の想いが出てたりと)、今作のストーリーにマッチした歌詞は素晴らしい出来だと勝手に思っています。
 ルドガーさんは歴代テイルズの中でもかなり不幸な人でしたが、いつか外伝作品なんかで幸せになってくれたらいいなあと願っています。ただ、彼はおそらく何度でもあの選択をし続けるでしょうね(ミトスじゃないけど)。あの選択をしたことに対する後悔は一つもないのだと、彼の穏やかな表情から感じ取ることができるのです。
 世間じゃマルチバッドエンディングシステムだとか何とか言われている今作ですが、鬱ゲー好きな私からするととても素敵なゲームだと思いました。
 最後に、これを読んでくださった方がテイルズや浜崎さんに興味を持ち、直接作品に手を伸ばしてくれることがあれば幸いです。

 

 

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